花が咲くには理由はなくて
花が咲くには理由はなくて
季節はずれと呼ばれようが
なんでこんな場所に?と不思議がられようが
今だ!と思えば咲く
咲く時がその時
その時しかないんだ
"ない"と"ある"
"ない"には
"ある"を気付かせる力があって
"できる"は
"できない"を助ける事も学ぶ事もできる
与えるどころか得てばかり
"目の前は貴重な存在"
と自ら気付きに行けたらなら
"ない"と"ある"は見事に共存できる
やねうら部屋の貝の夢
錆び付いた天窓さえあけてしまえば
キュルキュルと軋みながら
無数の蝶が
頭のてっぺんから飛び立っていく
もう産まれた時から
羽化していたのだと云う
ずっとそこに居たのだ
魔法でもまやかしでもなく
"物理的に"存在するのは
今日の陽射しと その眼差し
記憶も夢もその掌
もう産まれた時から
持っていたのだと云う
この砂を
私たちは 山から噛み砕いて
"あ""い"などと言う
あの日の陽射し 私の眼差し
擬(なぞら)えるように
また今日が飛び立つ